2007年05月14日

Amos Garrett Japan Tour

トニージョーには及ばないが16年ぶりの日本ツアーが進行中のエイモス・ギャッレット。どなたかが書いていられたが、僕も今回のエイモスが今までで一番良い様な気がする。昨日の横浜でもたくさんの人が最高ですといわれていたが、僕も同感。なんせエフェクター等という物を一切使わずにあの音が出せる、若い人達にもみてもらいたいな。そのエイモス、偉大なストーリー・テラーでもある。来日してからのベスト2は、その1、マリア・マルダーの大ヒット曲、真夜中のオアシスの作家、デイビット・ニクターンの話。
真夜中のオアシスをレコーディングした頃、デイビッドは売れないシンガーソングライターで友人のうちを泊まり歩いていたほど貧乏だった。
そしてマリアがあの曲を気に入ってコーディング。当時忙しかったエイモスはロスのレコーディングでオーバーダブをしてすぐにSFに帰らなければいけなくて、スタジオに入り何曲かダビングをしてすぐに帰ったのだが。真夜中の・・・は一発でオーケー。最後の部分を取り直してすべてオーケー。スタジオでそれを聞いてたデイビッドは気に入らなくて、もっとポップな感じでとマリアやプロデューサーのジョー・ボイドにいったが二人ともそのソロが気に入ってそれでオーケー。
その後もデイビットはぶつぶつ言っていたらしい。
そして1年後、次のマリアのアルバムのレコーディングでサンセット道りをスタジオに向かって歩いていたエイモスの横にぴかぴかのベンツが止まって窓ガラスがスーツとおりて、中からデイビットの『エイモス、あのソロ最高だよ』という声が聞こえた。

その2、随分まえモンタレーのジャズフェスに出た時のはなし。
当時モンタレーのライブは1階と2階のホールで行われていた。下は5000人くらい入る大ホール。上は500人くらいの小ホール。その日大ホールはブルース・ブラザース。小ホールはエイモスのバンド。以前からスティーブ・クロッパーのファンで彼を尊敬していたエイモスは、この期を逃したら会えないかもしれないと思い自分のショーを早めに終えてスティーブに会いに行こうと思った。ショーが始まり観客席の真ん中辺に見覚えの有る顔を見つけた。何度かあった事のあるボブ・ディランだった。早めにショーを終え観客の中を通って下の大ホールに急ぐエイモスの目の前になんとディランが立っていて握手のために手を差し伸べているではないか。でもスティーブに会いたい一心のエイモスは『ゴメンちょっと用事があるので』と握手もそこそこに急いで一階に向かった。残念な事にブルース・ブラザースのショーも既に終わっていて、スティーブの演奏は見れなかった。でもパスを持っていたエイモスは楽屋に行きスティーブを見つけた。彼は後ろ向きだったので顔は見えなかったが身なりのがきちっとした紳士と話していた。この期を逃してなるものかと思っていたエイモスはその紳士の肩を後ろからとんとんとたたいて『すみません、僕もミスター・クロッパーに話が有るのですが』というとその紳士はエイモスに席を譲ってくれた。そして去ってゆくその紳士に向かって『クインシー、後で会おうよ』といった。その紳士はクインシー・ジョーンズだったのだ。あっと思ったが後の祭り、でも自分のあこがれのスティー・クロッパーに自分がエイモス・ギャレットでずっとあなたのギターを好きでした・・・・・。と言ったところ『君がエイモスか、あのマネー・リックのエイモスか』と言った。マネー・リックとは金になるフレーズと言う事らしい。もちろんあの真夜中の・・・のソロの事だ。そんな事から二人の話はかなり弾んだらしい。
しかしそれ以来ボブ・ディランとクインシー・ジョーンズから仕事の依頼はきていないという。
次の話が聞けたらまた載せます。
posted by 麻田 at 19:08| Comment(1) | TrackBack(0) | music
この記事へのコメント
久しぶりの更新、お待ちしていました。
Amos来ていたんですね・・・。
今はちょっと見に行ける状況ではないですが・・・。

とても興味深い裏話、ありがとうございます。
またお願いします。
Posted by mudslideslim at 2007年05月18日 18:21
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