その彼が今までずっと彼のプロデュースを続けてきたKeith Steagallに変わって今回なんとアリソン・クラウスをプロデューサーに起用したのだ。バックのミュージシャンも彼女のバンドのメンバーであるジェリー・ダグラス等中心だ。アリソンのプロデュースなのでもちろんアコウステイック・サウンド中心だ。今までもアラン・ジャクソンのCDの中に何曲かはアコーステイックなアレンジはあったし,多分カントリーシンガーの中では一番マンドリンをバックに使っていると思うし、前回のゴスペルアルバムもアコウスティックなサウンドだったが、ここまで徹底してアコウスティック・サウンドにこだわったのはなぜか?これってかなりの冒険ですよ。もちろん今やブルーグラス界のみならずポップ、ロックのジャンルまでそのファン層を広げているアリソンだから,彼女の知名度を考えれば、彼女の起用自体は納得出来るのだが,いかんせんサウンドが地味です。もちろんアリソン、ジェリー・ダグラスと言ったブルーグラス界のスタープレーヤーに加えてバーナード・パーディーのドラム(この人選にも興味が湧くがその件はまたの機会にします)までがプレイしている訳ですからサウンド自体が悪かろうはずは無い。でも今までレコーディングでバックをつとめていたナッシュビルのスーパー・スタジオ・ミュージシャンであるEddie Bayers, Brent Mason, Stuwart Duncan, Paul Franklin等はだれも参加していない。つまり彼がずっと作り続けてきた現代版ホンキートンク・サウンドは今回全く聴かれない。だから僕のようにいつもの歯切れの良いボーカルと,バックのミュージシャンが作り出す今のナシュビルで考えられる最高のサウンドを期待してこのCDを購入した人達はどう思うのかという事に興味がある。つまり今までのフアンにとってこのCDがどういう捉えられ方をするのか僕は非常に興味があるのだ。
それと今回はほとんどが他人の曲だ。もちろん彼は今までだってカバー・アルバムも出しているし、他人の曲も歌ってきている。でもそれは明らかにアラン・ジャクソンの為に書かれたと思われる曲、もしくはジャクソンが歌えば良いといった曲だった。つまりそれは売るという事を前提にした選曲だったような気がする。僕はそれが悪いと言っているのではない、ハンク・ウイリアムスだって、ジョニー・キャッシュだって、マール・ハガートだって、みんなそうしてきている訳だし。ただ今回はそういった売り線の曲があまり無く総体的に地味なのだ。曲自体が悪いと言う訳ではないのだが地味なのである。極端な事を言えば僕には売れる事を拒否した様なCDに聞こえる。C&W界のトップスターの一人であるアラン・ジャクソンだから売れないと言ったってミリオンに近い数字は出るだろう、でも僕が知りたいのはなぜアラン・ジャクソンが絶頂期の今こういうCDを出すのか、なぜ今アラン・ジャクソンがこのサウンドなのかという事だ。彼は”この挑戦的な役割を良く引く受けてくれてありがとうと”アリソンへの感謝の気持ちをライナーの中で書いているのだが、このCDは彼の単なるチャレンジなのか,それとも・・・・・この後アラン・ジャクソンはどこへ行くのだろうか。興味津々だ。
P/S
この事をBOMサービスの井上三郎氏(みんなでムーン・シャイナーという雑誌を読もう)に言ったところ彼の家族はみんなブルーグラスをやっていて彼もファミリーバンドをやっていたという事を聞いた。フーン
P/S徳武氏からの情報によるとチャック・レイニーがナシュビルに移ったらしい。という事はバーナード・パーディーもかな。フーン

Alan Jacksonは僕も好きで「Here In The〜」から「Who I Am」までは買っていたのですが、最近はよりシンプルなものやオルタナ色の強いカントリーに趣味がシフトしてきてしまっています。
もちろんリアルタイムではないですが、麻田さんの「Greetings From Nashville」も大好きで良く聴いています。当時の日本にこんなセンスの人がいたんだあ、と驚かされました!
実は真木さんと懇意にさせていただいていて、去年の真木さんの30周年ライブの時に紹介していただこうと思って楽屋まで入れていただいたのですが、麻田さんは帰られた後でした。残念・・・。
私もブログをやっていて、僭越ながらアルバム・レヴューをやらせてもらっています。麻田さんに見られるのは恥ずかしいのですが、よろしかったら遊びにいらしてください!
更新待っています!