2008年06月03日

ツアーこぼれ話(ジェフ・マルダーその1)

ジェフと話していて驚くのは彼が普段はベートーベンやチェバー・ミュージックを聴いていたり,スピナースのフィリップ・ウインのボーカルがが最高だといったり,アレンジではフィリーサウンドのプロデューサーのトム・ベルからの影響を受けていると言ったり、グランドマスター・フラッシュが出て来たときには驚いたと言ったり,ジュージア・シーアイランダースのアカペラが好きだなど、など、フォークアーチストとの話とは思えない事を毎日聞かされている。まあ 50年代から実際に生で多くの音楽も聴いていたのだしワンダフルタイムなどを聞けば彼が一般的なフォーク歌手とは違うと言う事は分かるのだが、分かっていても彼の音楽的な知識が非常に広範囲に渡っている事に驚かされる。そこら辺が彼が細野君を敬愛する理由だろう。僕も両人の音楽的な知識にいつも驚かされているから二人が対談したらさぞ面白いだろうなといつも思っている。そんな事でディランがやったDJのコンピCDにも驚かされたがジェフの懐の深さにも毎日脅かされている。その中のいくつかの話:彼が7、8歳の頃年上のお兄さんがかけていたSP版でイントロクイズのような事をやっていて兄弟の中では彼が一番早く曲名を当てていたという(シドニー・ベッシエやサッチモなどが好きだったという)
14歳の頃買った初めてのレコードは(78回転のSP)エルドラドスのドーワップだったといった事や同じ頃ハービー&ムーングローズをブルックリンのパラマウント・シアターで見た事とか。
その後入ったプレップ・スクールでルームメートになったワーウック・ボイド(ジョー・ボイドのお兄さん)とレコードを集め始めたこと,その頃のコレクションはワーウイックと一緒に探したジャズのSP,LPが中心で、その後いわゆるジャズの歴史シリーズのLPの中にはいっていたレッドベリーや,ジョシュ・ホワイトを聞いてフォークに興味を持ち始めた事、などなど興味は尽きない。昨日は僕が実家から持って帰って来たシングルレコードの中にあったトリオ・ロス・パンチョスの話をしたときにも、『僕も持っているよ、その後いっぱい出て来たパンチョスじゃなくてオリジナルのね』と言われたのには驚いた。アメリカ人でトリオ・ロス・パンチョスを知っている人は珍しい。
posted by 麻田 at 13:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記